「業界で、今いちばん食べたほうがいいクレープって言われてる。」と、知人パティシエに紹介されたのが、2022年春。その初めのひとくちの衝撃にどっぷり惚れ込んでしまった、あまりに豊かで美しく贅沢なクレープをご紹介します。
和製クレープのエッセンスをフランス伝統のクレープに融合
一般的にクレープといえば、生地の中にたっぷりの生クリーム、フルーツ、アイスなどの色鮮やかでポップな構成。1000円未満で学生のお小遣いでも気軽に買え、お店の前や横のベンチで食べるような、カジュアルな印象が強いでしょう。このクリーム入りのクレープ、実は日本で生まれたのだそう。
今回おすすめするイクアリーのクレープから受け取れるのは、時間の流れとともにゆっくりと心に染み渡るような癒し。フランスの伝統的なホットクレープや、旬の果物を贅沢に使った美術品のようなクレープを、店内でゆったりと楽しめます。
イートインは、1クレープ+1ドリンクの注文が必須。定番クレープが1,100円〜1,800円、ドリンクが450円〜680円。予算は3,000円以内と、一般的なクレープスタンドと比べると高価に感じるかもしれませんが、ここには気軽なおやつとは一線を画す価値があります。
心の潤いを求める大人の女性はもちろん、これまでのクレープのポップさに気恥ずかしさのある男性にも、ぜひ体験してほしいです。
こだわりの厳選素材をシェフの培ってきた感性で輝かせる
2021年にイクアリーを立ち上げたシェフは、駒沢の「ル・パティシエ・タカギ」や、等々力の「アサコイワヤナギ」で研鑽を積んだ実力派。実直に培ってきた技術と、豊かな味覚体験をとおして得た美的感覚のもとに素材を厳選し、考え抜いて作られたクレープは、佇まいがもうすでに美。
クレープがサーブされたテーブルは、まるでキラキラしたステージのよう。イクアリーのクレープはパフェのようにたくさんのパーツで構成されており、そのひとつひとつを丁寧に説明していただけます。意外性のある組み合わせで作られたパーツもあり、食べる前からワクワクした気持ちに。
ひとくちごとに違った味や食感を楽しめるのも、イクアリーのクレープの大きな魅力のひとつ。あまりにも豊かな味覚の彩りに圧倒されると同時に、シェフの感性を分けていただいているような嬉しさが感じられます。
「日々を大切に思う」イクアリーでクレープと癒しを噛み締める
現在は、青山学院大学の西門前のビルにあるバーで営業しています。渋谷駅からも表参道駅からも7分ほどの場所。さらに中2階に位置しているため人通りも少なく、静かで落ち着いています。
店内の滞在時間こそ1時間ほどですが、素材ひとつひとつの存在を確かめながら、変わっていく味や食感とともに、ゆったりと進んでいく時間の流れを楽しむことができます。
シェフと奥様はもちろん、スタッフ皆さんから感じられるのは「イクアリーで過ごす時間が、日々の潤いになればいい」との願い。イクアリーでクレープを楽しみながら、自分を幸せにするための時間を噛み締めてみてはいかがでしょうか。