本記事には、撮影禁止の展示室画像が含まれます。取材に際し、特別な許可を得て撮影しています。
『よりみち展~美術のみかたが広がるよもやま話~』が、2025年7月19日より諸橋近代美術館にて開催されています。9月17日には一部の展示作品を入れ替え、後期展示をスタート。
個人的に大好きな諸橋近代美術館を、同展の担当学芸員さんにご案内いただき、たっぷりと楽しんできました。まずはどんな展覧会なのかからご紹介します。
気軽に気楽によりみちするように

気軽にふらりと“よりみち”するように美術を楽しめる『よりみち展』。決まった順路はなく、好きなところから好きなように、好きなだけ作品を楽しめます。
鑑賞の自由度を高めることで美術のハードルが下がり、初心者からマニアまで幅広い層の方に、よりみちをするように楽しんでほしいという願いのこもった展覧会です。
諸橋近代美術館は裏磐梯の景勝地を観光するついでに、ふらりと立ち寄れる美術館。訪れるお客様は、初めての美術館という方も多いのだそう。なので、美術館をよく利用する人はもちろん、美術館デビューの方も楽しめる工夫がたくさん施されています。
作品についての解説も、付随する“よもやま話”がたっぷり。主題の部分も興味深いのですが、枝葉のように広がっている面白ポイントもたっぷり楽しめます。
展示室ごとのテーマを自由に往来

構成を分けたり章立てはしていないので、展示室間を自由に行き来できます。どんな順番で見てまわっても、迷子ではなくよりみち。とはいえ、脈絡なく並んでいるわけではありません。
芸術や物語、神話を描いたもの、風景画、ユダヤ系作家の作品、映像作品など、展示室ごとにゆったりとテーマが設けられています。
そして、諸橋近代美術館といえばダリ! その収蔵数は世界有数で「ダリ美術館」なんて言われるほど。なんと、コレクションのうち約7割がダリ作品とのこと。他にも、ルノワールやピカソ、マティスなどの作品も収蔵しています。
さらに、郡山市立美術館、福島県立美術館、栃木県立美術館から作品を借り受けている同展。印象派やフォービズムに影響を与えた作家の作品など、より多様な作品を楽しめます。
『よりみち展』は絶賛開催中。会期は2025年11月9日まで

『よりみち展~美術のみかたが広がるよもやま話~』の会期は2025年11月9日まで。10月に入り閉幕が近づいていますが、まだまだ間に合います。
また、10/12(日)には「おきにいりマルシェ」というイベントも開催。敷地内の庭園にさまざまな雑貨やワークショップ、フードのお店が並びます。『よりみち展』を鑑賞するように、ふらりと訪れるのも楽しそうですね。(出店者情報)
諸橋近代美術館があるのは、福島県の景勝地・会津磐梯高原の磐梯朝日国立公園内。そのため看板等の設置が制限されているとのこと。車で行かれる場合は、国道459号線沿いに入り口があります。
公共交通機関を利用する場合は、JR磐越西線の猪苗代駅から会津バスで25分ほど。バスは1時間〜2時間に1本なので、時間をよーく確認しておくと安心です。時間を気にせず動きたい場合は、駅前からタクシーの利用(片道5000〜6000円ほど)も可能です。
余談ですが、降り立ったらまず深呼吸してみてくださいね。「空気が美味しいってこれか!!」を体験できるので。
バスは現金のほか、タッチ式クレジットやQR決済も対応!

昨年の夏に訪れたときは現金のみ対応だったバスが、タッチ決済ができるクレジットカードや、QRコードでの支払いにも対応していました。
昨年までは一生懸命往復分の小銭を作っていたのですが、一部のキャッシュレス決済に対応したことでかなり便利になった印象です。
素晴らしい景観を見せてくれる諸橋近代美術館で開催中の『よりみち展~美術のみかたが広がるよもやま話~』。磐梯山の澄んだ空気や自然の色のコントラストを楽しみつつ、“よりみち”してみてはいかがでしょうか。
次回vol.2では、同展ならではの美術鑑賞をより身近に感じさせてくれる特徴をご紹介します。
『よりみち展~美術のみかたが広がるよもやま話~』
■ 会 期
2025年7月19日(土)~11月9日(日)
■ 主催・会場
公益財団法人諸橋近代美術館
福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093番23
アクセス詳細
■ 休館日
9月17日(水)展示替え休館
※他、定休日等なし
■ 時 間
9:30〜17:00(最終入館は16:30まで)
■ 観覧料
・一般 ¥1,300 (¥1,000)
・高校・大学生 ¥500 (¥300)
・中学生以下 無料 (無料)
※カッコ内は団体料金(20名以上)。
※詳細はこちらからご確認ください。
■ 会期中イベント
◎ 10/19(日)【ZOOM講演会】モロビ大学第20回「郡山市立美術館のよもやま話
■ 公式サイト
展覧会「よりみち展~美術のみかたが広がるよもやま話~」
公益財団法人諸橋近代美術館