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【2000円】孤高の芸術家?『パウル・クレー展――創造をめぐる星座』でクレーの内側を覗くvol.1〜創造の軌跡を辿る

兵庫県立美術館にて開催中の「パウル・クレー展――創造をめぐる星座」。孤高の芸術家と称されることの多いクレーですが、実は同時代の芸術家たちとの交流は豊かなものだったといいます。

クレーの作品は謎めいたものが多く、見た者が自らイマジネーションを広げる「考える余白」があるように感じられ、個人的にも大好きな芸術家のひとり。

クレー作品はもちろん、同時代の影響を与え合ったであろう芸術家たちの作品も含め、クレーの生きた時代を堪能できる同展を、前期/後期展示を織り交ぜてご紹介します。

クレーの創造の軌跡を辿る

兵庫県立美術館では実に10年ぶりの開催となる、パウル・クレーを主体とした展覧会。

クレーと交流のあった芸術家の作品との比較や、多くの人や情報が構成する星座=コンステレーションのなかでクレーを捉え直した同展。クレーの生涯にわたる創造の軌跡をたどる展覧会です。

また、スイスのパウル・クレー・センターの学術協力のもと、当時の貴重な資料なども含めて構成されています。

展示風景

前期/後期で一部展示替えがされる同展は、展示作品の一部、約30点を入れ替えて、4月29日から後期展示をスタート。会期は5月25日までですが、GW前に訪れた人も改めて楽しめそうです。

おかわり鑑賞、オススメします!

パウル・クレーは本当に孤高だったの?

「この世では、私を理解することなど決してできない。なぜなら私は、死者たちだけでなく、未だ生まれざる者たちとも一緒に住んでいるのだから。」

1920年にクレーの作品を売り出した際に用いられた、パウル・クレーのこの言葉。孤独に瞑想する芸術家としての彼のイメージを広めたのは、画廊の販売戦略でした。

この言葉と作品の印象から「孤高の芸術家」なんて言われることもあるクレー。しかし、クレーだってひとりの人間です。他の前衛芸術家たち同様に、仲間と夢を共有したり刺激を与え合ったりしながら困難な時代を生き抜いてきました。

スイスに生まれた芸術家クレー。ヴァシリー・カンディンスキーらとともに「青騎士」に加わり、バウハウスにもマイスターとして招聘され教鞭を取りました。

クレー作品を見ると、さまざまな時代の流れに沿いつつも、その時代のメインストリームとも少し違うような印象を受けます。

展示風景

個人的に、キュビスム、シュルレアリスムあたりの作品が好きで、クレー作品にも惹かれるものがあるのですが、でもどれともちょっと違うというか、そうなんだけどぴったりはまらないというか。

その独創的な、何ともつかない感じが魅力なのかもしれません。

個人的胸アツポイント:カンディンスキーとドローネーとクレーの繋がり

「青騎士」という団体で、共に励んでいたクレーとカンディンスキー。企画展ライト層の筆者、ただクレー作品が好きと言うだけで何も知らない状態でお邪魔したのですが、カンディンスキーがクレーとドローネーを繋いでいただと?! 胸アツ!!

「チェニスの赤い家と黄色い家」(1914年)/パウル・クレー/パウル・クレー・センター蔵(ベルン)

キュビスムといえば! で、ピカソやブラックと並んで名前があがるロベール・ドローネー。その存在は、シーンにとっても大きなもので。キュビスム大好き筆者、例に漏れずドローネーも好きなのです。

好きと好きを、好きが繋いでいた! なんてこと! 語彙だって消失しますわ、そんなの!

こちらの画像はぜひ拡大してくださいね! クレーとドローネー、それぞれに建物を風景に溶け込ませようという描き方を感じ取れます。どちらも大好きなので、静かにはしゃいだのですが、見れば見るほど共通点が見えてきます。興味深いので、ぜひ現地で見比べてみてください。

JR灘駅から徒歩10分。美術館への道「ミュージアムロード」をまっすぐ

2025年4月13日に見上げた兵庫県立美術館。とんがり帽子をかぶっているのはカエルですかね?おサイケで可愛いですね。

灘駅を出ると、ロータリーの向こうにまっすぐ伸びている「ミュージアムロード」。ここを歩いていくと、兵庫県立美術館が見えてきます。

ほんとうにずっとまっすぐなので、プロ迷子を自称する筆者も余裕でたどり着けました。地図がなくても行けます。徒歩10分ほどの距離なので、お天気の日はお散歩がてら歩いてもいいですし、駅前にタクシーもいるので乗ってしまうのもアリ。

館内も広く快適に鑑賞でき、またベンチも多く設置されているので休憩しながらたっぷりと楽しむスタイルも取れます。筆者は行きつ戻りつ、3時間いました。

クレーの世界をたっぷり楽しみつつ、同時代の芸術家たちとの関係性も見えてくる『パウル・クレー展――創造をめぐる星座』。不思議で美しい世界に触れて、さまざまな思いを巡らせてみてください。

『パウル・クレー展――創造をめぐる星座』

■会期
2025年3月29日(土)〜5月25日(日)
■会場
兵庫県立美術館 3階
アクセス(美術館公式サイト)

■観覧料
・一般 2,000円
・大学生 1,500円
・70歳以上 1,000円
障害者手帳等をお持ちの方
・一般 500円
・大学生 350円
※障害者手帳等をお持ちの方1名につき、その介助の方1名は無料
※高校生以下無料
※予約制ではありません。混雑時は人数制限を行いますのでお待ちいただく場合があります
※一般以外の料金で利用される方は証明書を観覧当日にご提示ください
※コレクション展の観覧には別途観覧料が必要です(本展とあわせて観覧される場合は割引があります)

■休館日
月曜日

■開館時間
午前10時〜午後6時
入場は閉館30分前まで

『パウル・クレー展――創造をめぐる星座』公式サイト
兵庫県立美術館 公式サイト

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蓮水おり(ori hasumi)

美味しいものと美術展とライブをテンション高めに楽しむワーママでバンギャ。コーヒー歴15年超の、J.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター2級。12星座をモチーフにしたオリジナルブレンドのコーヒー屋を営んでいます。

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