2025年12月に、渋谷ギャラリーコンシール( @galleryconceal )の全室を貸し切って行われた「CROSSING season2」。4つのセクションに分かれて総勢約30名のフォトグラファーが参加しました。
同展の、廃墟写真を専門とするフォトグラファーによる特別セクション「Ruins Division」にお邪魔した際、出展・在廊されていた、Saho.さん、令嬢さんと、少しお話しさせていただきました。
さまざまな街や廃墟を巡り、瞬間を切り取るように撮影された写真たち。その空気を凝縮するように作られた、お二方の写真集をご紹介します。
Saho.さん「THE JOURNEY ABANDONED 3」

都市探検家のSaho.さんの、「The Journey Abandoned」シリーズ3冊目となる「THE JOURNEY ABANDONED 3」。全国津々浦々のさまざまな廃墟写真を掲載した写真集です。
具体的にどことは言わないまでも、遊園地、発電所、工場など、撮影地はさまざま。
一定数刺さる方がいると信じたいのですが、薬棚の残る廃歯科医院。椅子、ライト、機材、器具の置き去りにされた様。とても好きです。

探索して撮影した作品のみならず、ドローンを使用して空撮した作品も。
近い視点、広い視野、空撮と、さまざまな角度から撮影された作品が収められているため、まるで写真集の中に漂っているような感覚になります。
同シリーズや、以前の作品もWEBでも販売されているので、気になった方は覗いてみてください。
令嬢さん初の写真集「Utopian Qualia」

仄暗く冷たく淋しい雰囲気が印象的な、令嬢さんの初写真集「Utopian Qualia」。
写真集には、椅子のある風景が多く掲載されています。そこに人がいて、営みがあり、音や温度があったこと。それらが全て過去であることを強く感じさせる寂しさが写し出されています。

展示作品にも椅子のある風景が多く、とても筆者好み。ただ建物として暮れていく姿を切り取るだけでなく、その向こうにある、ちょっと心がチクッとするような気配まで見えるようです。
さらに、初めて女性の廃墟写真家さんにお会いして、感動もひとしお。あまり女性で廃墟好きな人に出会わずにきたので、とても嬉しくなりました。
流れゆく時間の断片と儚さを手元に

目的を奪われ、世間から忘れ去られてもなお存在し、時間だけが流れ続けている廃墟。自身で出向くのはハードルが高いけれど、写真集ならいつでも思い立ったらその世界に触れられます。
SNSの発達に伴い、作品に触れられる機会も増えています。Saho.さん、令嬢さんの作品はもちろん、気になる作品があったら、ぜひ撮影者にも注目してチェックしてみてください。
さらに、年間通してさまざまな廃墟写真展が開催されており、気になったフォトグラファーさんを見つけたら、出展情報を探してみるのもいいでしょう。
写真集には、フォトグラファーさんそれぞれの感じる、廃墟の魅力が詰まっていますからね。


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