“クラフト=こだわり”の証。日々美味しいクラフトビールを探求中の筆者が、番外編としてクラフトチューハイをご紹介します。
今回ピックアップしたのは、全国各地の名産品をこだわりの製法でチューハイにした『寶CRAFT』シリーズ。愛媛県宇和島名産の宇和ゴールドを使用した「愛媛宇和ゴールド」です。
『寶CRAFT』愛媛宇和ゴールド
日本有数の酒造メーカー「宝酒造」。焼酎や清酒といった“飲むお酒”だけでなく、みりんや料理酒など調味料まで幅広く扱っているメーカーです。
創立はなんと1842年・天保13年の江戸時代というから驚き。200年近くに渡って日本のお酒分野を支えてきた、歴史ある会社で、缶入りのチューハイを日本で最初に販売し始めたのも「宝酒造」です。
そんな、缶チューハイの生みの親である「宝酒造」から販売されている、全国各地の名産品を使ったご当地チューハイシリーズ「寶CRAFT」。そのなかから、今回は愛媛県宇和島産の柑橘・宇和ゴールドを使用した1本をご紹介します。
さっぱり系の爽やかチューハイ
愛媛県といえば、言わずと知れた柑橘の名産地…というより、柑橘天国と表現する方がふさわしいかも。
温州みかんを筆頭に、デコポン、いよかん、八朔といったメジャー品種から、はるみやせとか清見といった珍しいもの。最近では紅まどんなや甘平といった高級品種も有名ですよね。
今回のチューハイに使用されている宇和ゴールド。品種名は河内晩柑といい、夏に収穫できる大きな柑橘です。
見た目がグレープフルーツに似ているため和製グレープフルーツとよばれることもありますが、苦味はほとんどなし。甘みも爽やかで、さっぱりとした味わいの品種です。
チューハイも、あっさりした酸味のある味わいで、レモン系のチューハイよりスッキリしているかも。刺々しさがまったくなく、グレープフルーツというより懐かしのフルーツ・スウィーティーの味に似ています。
こだわりの「ひとてま造り」製法
「全国の素材の特長や個性を活かしたチューハイを造りたい」という想いで立ち上げられたという「寶CRAFT」シリーズ。
「ひとてま造り」と銘打ってありますが、“ひとてま”どころか“ふたてま、みてま”もかかっているなという印象を受けました。
というのも、この宇和ゴールドの場合は原材料に「宇和ゴールドの果汁、宇和ゴールドペースト、樽貯蔵熟成焼酎」が使われていますが、白ワインが加えてあるものやピューレが加えてある商品もあれば、シンプルに果汁だけを使用しているものもあったりと、それぞれの素材の美味しさを最大限生かそうとするこだわりがみえるのです。
さらに、それぞれの地域のグルメにも合うよう作られているとか。さすが200年近く日本の酒造界をリードしてきたメーカーは違うな…と感心してしまいます。
この「宇和ゴールド」チューハイのアルコール度数は8%とやや高めですが、飲み口はすっきりとしているので重さはナシ。氷をたっぷり入れたグラスに注いで…こだわりの柑橘感を味わってみて!