国立科学博物館で開催中の、特別展『古代DNAー日本人のきた道ー』。我々日本人が、古代から現代までどのような道をたどってきたのか、DNAから紐解いていこうという展覧会です。
全ての人間が持つDNAや骨格から、時代ごとにどう変化して現在に至るのか。意外と知らない“日本人”がきた道を、たっぷりと学んできました。
DNAが教えてくれる、遠い祖先の顔や生活

今世紀に入り急激に発達した古代ゲノム解析で得た精緻なデータにより、縄文人や古墳人の家族像が復元されたり、日本列島集団の成立のシナリオの整合性の検討が可能になったりしています。
人骨から得られたゲノムデータをもとに、髪質、肌質などを再現した模型も展示。どんな顔をして、どんな体格で、どんな生活を営んでいたかなどを知ることができます。
子どもの頃に学んだふんわりとした知識に立体感や温度が織り込まれていくような内容で、大人も子どもも楽しく学べる構成です。
各時代の出土品もたくさん

生活の様子が見える土器や石器、木や貝、金属を加工したものなどさまざまな出土品を見ることができます。
歴史の教科書で見ていたのは、時代を象徴するような土器やシンプルな形の道具でしたが、それぞれの生活様式に対応する形で作られていて、時代によっては装飾性の強いものもありました。
それぞれどのような環境で何の目的で使われていたか、どのような思想で作られたのかなど、詳細ににキャプションが添えられています。実に興味深い。
イヌ、イエネコのきた道も辿る

なにも時代を超えてきたのは人間だけではありません。現代では家族の一員となっているワンちゃんもネコちゃんも、同様に時代を超えてきています。
イヌは、約1万年前から人間の生活の中にいたことがわかっており、想像よりもずっと昔から生活を共にしてきていたのだそう。
イヌのルーツを教えてくれた動物や、現代のイエネコのルーツをDNAが教えてくれたことなども展示されており、古代から現代までのご家族ワンニャンの変化についても知ることができます。
会期は6月15日まで!国立科学博物館にて開催中

特別展『古代DNAー日本人のきた道ー』は、国立科学博物館で開催中。東京展は6月15日までのためまもなく終了となりますが、2025年7月19日からは名古屋市科学館へ巡回します。
東京展を見逃してしまった方や、お子さんの夏休みの自由研究どうしようかなと考えていた方は、旅行がてら名古屋展へ足を運ぶのもいいかもしれませんね。東京↔︎名古屋なら日帰りもできますし。
とはいえ関東の方は、今がヒョイっと足を運べるチャンス。自分のルーツとなる日本人のきた道を、DNAを足がかりにたどってみてはいかがでしょうか。
次回vol.2では、個人的に注目したいおすすめポイントをご紹介します。
特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」
Special Exhibition: Ancient DNA: The Journey of the Japanese People
⚫︎会期
2025年3月15日(土)~6月15日(日)
⚫︎開館時間
9時〜17時(入場は16時30分まで)
ただし毎週土曜日は19時まで延長(入場は18時30分まで)。
常設展示は17時閉館(入場は16時30分まで)。
⚫︎休館日
月曜日
⚫︎入場料
一般・大学生 2,100円
小・中・高校生 600円
未就学児 無料
障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
学生証、各種証明書をお持ちの方は、入場の際に提示が必要です。
企画券などチケットの詳細はチケットページでご確認ください。
⚫︎会場
国立科学博物館(東京・上野公園)
〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20
⚫︎アクセス
JR「上野」駅(公園口) 徒歩5分
東京メトロ銀座線・日比谷線「上野」駅(7番出口) 徒歩10分
京成線「京成上野」駅(正面口) 徒歩10分
敷地内に駐車場および駐輪場はありません。