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【2300円】小企画展『フェリックス・ヴァロットン―親密な室内』vol.1〜三菱一号館美術館の基幹となるコレクション作品を堪能

タイトル予算は「アール・デコとモード展」の観覧料です。小企画展の観覧料は企画展(アール・デコとモード展)に含まれ、小企画展のみの入場はできません。

アール・デコとモード展と併せて、三菱一号館美術館1階の小展示室にて開催されている小企画展『フェリックス・ヴァロットン―親密な室内』。

2022〜23年に開催された「ヴァロットン ー 黒と白」でヴァロットンの版画作品に触れ、また見たいと感じていました。

同展の観覧料は企画展に含まれるとのこと。なんたる機会に恵まれたのか! ということで、ヴァロットンの表現する室内の世界をたっぷり堪能してきたのでご紹介します。

目次

ヴァロットン没後100周年記念の小企画展

展示風景

『フェリックス・ヴァロットン―親密な室内』は、19 世紀末のパリで前衛芸家グループ「ナビ派」とともに活動した、フェリックス・ヴァロットン(1865-1925)の没後 100 周年を記念し、三菱一号館美術館のコレクション作品で構成された小展示です。

ヴァロットンが室内を描いた代表的な版画作品と、関連する同時代の作品をとおして、室内のさまざまなモチーフに着目し、ヴァロットンが作品に秘めた意図を紐解いていく内容となっています。

ムラのない黒と階調のない白

展示風景

ヴァロットン作品は、飾り気のない木版画のスタイル。ムラのないどっしりとした大きなかたまりの黒と、陰影線やグラデーションなどの階調のない白の面画が特徴的です。

輪郭とフラットなパターンを重要視する一方、伝統的な立体感表現はほとんど使っていなかったとのこと。

かといって、決して質素だったり平面的な印象ではなく、表情のある線が、非常に雄弁に語っているように感じられます。

光の色を感じるような白と黒の作品たち

展示風景

ヴァロットン作品は、木版作品が特に好きで。先述のとおり、飾り気のない線と紙の白にインクの黒。繊細な書き込みの作品が好きだとばかり思っていたところ、衝撃的に心動かされたことを強く覚えています。

それに加えて、今回見て感じたのは白と黒で陰影の表現はないのに、そこに光の色が見えてくるということ。特に強くそう感じた作品をご紹介します。

「愛書家」のランプの暖かな強い光と濃く落ちる影

「愛書家」(1911年)/フェリックス・ヴァロットン/三菱一号館美術館蔵

顔の高さから手元を強く照らす、煌々と灯るランプ。書庫を広く照らす光量が、影を濃くしているように、白衣の白もより明るく感じられます。

黒の濃さは変わらないのに、ランプの光と認識することで、右腕の影が濃く見えるような気がしませんか。

「楽器『Ⅴ.ギター』」の窓の外の空の青

「楽器『Ⅴ.ギター』」(1897年)/フェリックス・ヴァロットン/三菱一号館美術館蔵

どことなく昼間、室内灯をつけずに植物の影を受け入れているように感じます。かたや、月明かりを頼りにしているようにも見えたりと、実際の時間はわかりませんが、光の存在を感じさせる白ではないでしょうか。

楽団のアーティストが過ごす孤高の時間を描いた作品とあり、さまざまな想像を巡らせられます。

「ポーカー」のぼんやりと明るい蝋燭の光

「ポーカー」(1896年)/フェリックス・ヴァロットン/三菱一号館美術館蔵

紳士たちの表情を照らすやわらかな蝋燭の灯り。室内の様子は見て取れないものの、テーブルの上と紳士達のなんとも言えない雰囲気を浮かび上がらせます。

炎の形の周囲に走る線が、穏やかな光量を感じさせ、蝋燭の炎の色が見えるような気がします。

心掴む黒と白のバランス

先述のとおり、ヴァロットンの魅力は雄弁な黒と白。光と影だけでなく、身体や感情の動きまでもありありと感じられます。

直線と曲線が動きと立体感を生む「入浴」

「入浴」(1894年)/フェリックス・ヴァロットン/三菱一号館美術館蔵

大胆なボリュームの黒、白に浮かぶ黒の模様や線が、奥行きを感じさせる「入浴」。バスタブと重なるタオルやローブ、バスマットや床が空間を立体的にしているように感じます。

人物のいざ上がろうという体勢も、この先の動きが動画的に見えてくるような雰囲気がありますね。

情念の重さに眩暈がするような「<アンティミテ>版木破棄証明のための刷り」

「<アンティミテ>版木破棄証明のための刷り」(1898年)/フェリックス・ヴァロットン/三菱一号館美術館蔵

部数限定で刷られた<アンティミテ>。限定部数以上の刷りができないよう、全10点分の版木を破棄した上で、それらの断片を組み合わせて制作されたのが「<アンティミテ>版木破棄証明のための刷り」です。

10点それぞれの印象的な部分が組み合わされており、全体のバランスとしては暗いばかりではないはずなのに、<アンティミテ>の表現した世界の情念の湿度と重暗さを感じます。

会期は2026年1月25日まで。再開館に伴い設置された1階「小展示室」にて

小企画展『フェリックス・ヴァロットン―親密な室内』は、2026年1月25日までの開催。アール・デコとモード展と同会期なので、どちらもたっぷりと堪能してみるのがおすすめです。

三菱一号館美術館は、建物のメンテナンスのための休館を経て、2024年11月23日に再開館。それに伴い1階に「小展示室」を新しく設置。ここで開催する展覧会を新たに「小企画展」と名付けて運用を始めました。

今回の『フェリックス・ヴァロットン―親密な室内』のように、特定の画家や主題に焦点を当てるものや、季節に寄り添うものなど、さまざまな展覧会を年に約3回行うとのこと。今後の展開も楽しみですね。

小企画展『フェリックス・ヴァロットン―親密な室内』

⚫︎会期
 2025年10月11日(土)- 2026年1月25日(日)

⚫︎開館時間
 10:00-18:00
 金曜日と会期最終週平日、第2水曜日は20:00まで
 ※入館は閉館の30分前まで

⚫︎休館日
 祝日・振替休日を除く月曜日、および、会期最終週の1/19は開館

⚫︎観覧料金(アール・デコとモード展)
 一般 2,300円
 大学生・専門学校生 1,300円
 高校生 1,000円
 ※価格はすべて税込
 ※小企画展のみの入場不可
 ※障害者手帳をお持ちの方は半額、付き添いの方1名まで無料
  お得なチケット情報の詳細はこちらをご覧ください。

⚫︎アクセス
 ・電車
  JR「東京」駅(丸の内南口)徒歩5分
  JR「有楽町」駅(国際フォーラム口)徒歩6分
  東京メトロ千代田線「二重橋前〈丸の内〉」駅(1番出口)徒歩3分
  東京メトロ有楽町線「有楽町」駅(D3/D5出口)徒歩6分
  都営三田線「日比谷」駅(B7出口)徒歩3分
  東京メトロ丸ノ内線「東京」駅(改札口・地下道直結)徒歩6分
 ・バス
  最寄の停留所は「東京国際フォーラム前」
  三菱一号館美術館の正面に停車。
 その他、詳細は公式サイトをご確認ください。

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この記事を書いた人

美味しいものと美術展とライブをテンション高めに楽しむワーママでバンギャ。コーヒー歴15年超の、J.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター2級。12星座をモチーフにしたオリジナルブレンドのコーヒー屋を営んでいます。

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