“クラフト=こだわり”の証。日々美味しいクラフトビールを探求中の筆者が、番外編としてクラフトチューハイをご紹介します。
今回ピックアップしたのは、全国各地の名産品をこだわりの製法でチューハイにした『寶CRAFT』シリーズ。高知県馬路村のゆずを使用した「馬路村ゆず」です。
『寶CRAFT』馬路村ゆず
同じく「寶CRAFT」シリーズの「愛媛宇和ゴールド」も以前ご紹介しましたが、今回取り上げるのは「馬路村ゆず」。高知県東部から生まれた一大ヒット名産品であるゆずを使ったほろ苦チューハイです。
全国的知名度を誇る馬路村のゆず
高知県東部にある馬路村(うまじむら)。人口わずか800人(!)という小さな村の名前がこれほど有名になったのは、今から40年ほど前、1986年から販売が開始された「ゆずぽん酢」がきっかけでした。
村の主要産業だった林業が衰退し始めたころ、もうひとつの名産物であるゆずを使った加工品で再起を図ろうとしたことが始まりで、「ぽん酢しょうゆ ゆずの村」は全国的な大ヒット商品に。ゆずの香りが際立つ、それでいてまろやかな味わいの美味しいぽん酢は、筆者も長年愛用している一品です。
さらに「ごっくん馬路村」というゆずドリンクも大ヒットし、ゆず=馬路村というイメージがすっかり定着。どちらもロングセラー、変わらぬ味で愛されている名産品です。
馬路村のゆず、やっぱり違う!
日本で一番有名なゆず…と言っても過言ではない、馬路村のゆずを使用している「寶CRAFT」の「馬路村ゆず」。
馬路村産のゆずを丸ごと搾ったストレート果汁と、ゆずスピリッツ、そして焼酎を原材料としています。アルコール度数8%と通常の缶入りチューハイに比べるとやや高めですが、飲み口は全く重くありません。
ひとくち飲むと「あ、馬路村のゆず!」とわかってしまうのが不思議。近所のスーパーで買うほかの産地のゆずとは、何かが違う。ほろ苦いのに苦くない、酸っぱいけれどまろやかで…香りもとても華やかです。
ゆず味のチューハイ自体に珍しさはありませんが、馬路村のゆずは別格と再認識させてくれる味わい。ピール感もある、大人テイストのチューハイです。
地産地消 フードロス対策も
「寶CRAFT」シリーズは売れ残りや傷物として廃棄される果実を積極的に使用し、フードロス対策としても一役買っているとのこと。今あるものを無駄にしないスタンスで作られているため、全国展開で大量に販売されている商品は無いのです。
「馬路村ゆず」が販売されているのも近畿・中国・四国地方だけ。全国で販売すればヒットすることは間違いないでしょうが、“売る”ことだけにとらわれてはいない…味わいはもちろん、メーカーとしての姿勢にも心打たれる1本です。