昼間に飲むお酒の美味しさはひとしお。けれど、明らかな酒場に行くのは勇気が出ないという方も多いでしょう。そんなときはオシャレなカフェでデザートとお酒を楽しむのがおすすめ。
数年前、サロン・デュ・ショコラに出展されているのを機に存在を知り、ボンボンショコラをひと目見てからずっと憧れていた「W.Boléro(ドゥブルベ・ボレロ)」。
先日、大阪へ行く機会を得たので、憧れのお店へと喜び勇んでお邪魔してきました。
憧れの「W.Boléro(ドゥブルベ・ボレロ)」でティータイム
平日の大阪行きが決まったときから、絶対に行く! と心に決めていた「W.ボレロ」。
14時少し前くらいにお店に行くと、3組待ちとのこと。時間は大丈夫だったので、焼き菓子を選びつつ待つことに。
ちょうど入れ替わりのタイミングだったのか、20分ほどで席に通していただき、ケーキ2種とワイン、フレーバーティーをいただいてきました。
2024年のサロン・デュ・ショコラで、ボンボンショコラとタブレット、ギモーヴ・ショコラを購入。そのおいしさに感動し、これはケーキだっておいしいに違いないと確信してからの訪店。自ずと期待も高まります。
ドイツ東部ドレスデンの地方菓子《アイアシェッケ》の妙
W.ボレロのケーキといえば! の《アイアシェッケ》。
「Eier(アイア)=卵(複数形)」+「schecke(シェッケ)=まだら(の動物)」という名前の、ドイツ東部のドレスデン地方の濃厚なベイクドチーズケーキ。焼き上がりの表面の模様が名前の由来と言われています。
シュトロイゼル、バターとカスタードクリーム、ラムレーズン入りクリームチーズ生地、クッキー生地の4層仕立てで、かなりしっかりめのテクスチャー。それなのに、驚くほどなめらかに混ざり合って溶けていく中間の2層。
表面のカラメル色のカリッとした食感と香ばしい香りが、最高に好み! また、クリームチーズとカスタードクリームの風味をバターが繋いでいるのかなと感じますが、これが全く重くないことにびっくり。濃厚って書いてあるし大きいかな……という不安は、抱かなくて大丈夫。ペロリです。
美味しくて感動したので、今回の大阪土産はアイアシェッケ。(※予算外)サイズがいくつかあるので、選べるのも嬉しいところです。
全ての一体感が段違いの《フレジエ》は過去イチのおいしさ
W.ボレロのフレジエは、いちごがとにかくおいしいことにまず驚かされます。さらに、スポンジとクリームの境目がわからないほどの一体感にまたびっくり。
フレジエのきめ細かなスポンジには洋酒がたっぷりふくめられており、一般的なフレジエと比べてかなりしっかりと香ります。その分、しっとりと口溶けもなめらか。
クリームも、フォークに取ったときは固めに感じたものの、こちらも素晴らしい口溶けのよさ。いちごのやわらかな甘さとクリーム、スポンジが口の中で溶け合い、絶妙な一体感を作り出します。
あれば必ず選ぶくらいにフレジエ好きの筆者ですが、これは過去イチおいしいフレジエに出会っちゃったな……ずっとこれを最新のフレジエの記憶にしておきたい気持ちです。
ちなみにフレジエは、いちご、スポンジ、クリームを主体とするいちごのケーキ。ショートケーキがふわっと軽い生クリームを使用するのに対し、フレジエはカスタードやバタークリームを合わせた“ムースリーヌ”を使用するのが特徴です。
フルーティーな白ワインを合わせて
昼にカフェでいただくお酒が大好きなもので、今回は、フランス・アルザスを代表するワインメーカー「ヴォルフベルジェール」の“ゲビュルツトラミネール”という、華やかでフルーティーな香りが特徴の辛口ワインをチョイス。
ライチみたいなきゅるっとした甘さがありつつも後味のキレの良さは辛口のそれ。フルーツ系と合うとのことだったので、フレジエとの相性に期待をしつついただきます。
いや案の定〜! いちごの甘さとワインのフルーツ感がとても好相性。ケーキとお酒は、これがあるからやめられないのよね。大人の贅沢、ここに極まれり。
紅茶のバリエーションも豊か
コーヒー・紅茶のメニューももちろん用意されており、紅茶はとりわけ種類が豊富。一般的な種類のものからオリジナルのフレーバーティーまで、目移りしてしまうほど。
ケーキはワインといただくことにしていたので、優雅な時間の締めくくりになるような紅茶がいただきたいと考えて、フレーバーティーから「ミックスフレーバー②」をチョイス。
カカオピールやヘーゼルナッツピットなどがブレンドされ、さらにトリュフのフレーバリングもプラスされた、ウッディーでエレガントな香りとのこと。
ふんわり立ち上る香りはカカオピールの印象が強く、優しくてほっこり。ほんのりとタンニンを感じる香ばしい香りがヘーゼルナッツピットかなと想像します。華やかなケーキとワインにはしゃいだ心の呼吸を整え、リラックスさせてくれるようなイメージでした。
画像のとおり、ポットで提供されて砂時計が落ち切ったらティーバッグを取り出すスタイル。見た目よりもポットの容量が大きく、たっぷり3杯楽しめました。
癒しの空間は大阪のビジネス街に
滋賀県守山市に本店を構えるW.ボレロですが、大阪市内にも店舗があります。
今回お邪魔したのは、大阪本町店。地下鉄御堂筋線の本町駅から徒歩5分ほどに位置する路面店です。
オフィス街にありながら穏やかな佇まいで、店内もゆったりとした印象。ショコラやケーキ、焼き菓子などのほかにスローフードも並ぶ明るい店内は、ヨーロピアンな雰囲気。
しばらくお休みしていた喫茶営業は、近々で再開したばかり。4名掛けのテーブル席が2つにカウンター席が2つと、縮小した形で営業しているため、時間に余裕を持って行かれることをおすすめします。
ゆったりと穏やかな店内で、優しく美味しい時間を楽しむ。大人の贅沢に身を浸しに足を運んでみてはいかがでしょうか。