空をゆっくりと横切る観覧車は、誰しも乗ったことがある、遊園地の定番の1つではないでしょうか。観覧車の魅力は乗っている間、景色・夜景を楽しむこと、大切な人との時間を誰にも邪魔されず、限られた時間を切り取れるところでしょう。
しかし今回、強く推したいのは【造形の美しさに心奪われる】という楽しみ方。
観覧車のはじまり
1893年、シカゴ万博で建設された【フェリス・ホイール】が観覧車の始まりです。先立って行われたパリ万博で324mのエッフェル塔がシンボルとして呼び物になったことを受け【フェリス・ホイール】は80.4mと、シカゴ万博では一番の高さを誇ったといいます。
2回転するのに20分かかり、1回転目は乗客が乗り降りできるように6回止まるという仕組み。2回転目は止まることなく9分間で動いたそうです。チケットを持っている人は50セント(=当時レートで日本円では50銭)を支払って乗ることができました。
【フェリス・ホイール】の試運転をしたその日、稼働する巨大ホイールをみて『直立し続けるが、それを支えるものは見えない。十分なものはない。スポークはクモの巣のようであり、最新の自転車の車輪風である』と、感嘆した作家がいたそう。この感想こそ、今現在でも人々を感嘆させる理由ではないでしょうか。
支柱はもちろん地下深くに突き刺さっているとはいえ、この巨大な鉄骨が倒れもせず回り続けていることへの畏怖すら感じます。そしてクモの巣状に張られた鉄骨に魅せられ、筆者は捕われてしまったのです。
現代の観覧車は?
現在、日本全国で稼働している観覧車は140基以上あります。いまでこそ80m台の観覧車は珍しくなく、中には100mを超えるものもあります。明るいうちはシルエットや対称的に伸びた鉄骨の美しさに心奪われますが、夜になると色とりどりにライトアップされ、幻想的な顔も見せてくれます。
また現代では、80m台の観覧車が1周するのにかかる時間は約15〜20分。それを考えると、フェリス・ホイールはずいぶん速く回転していたことがわかります。もちろん1回乗ると途中下車もできません。
観覧車の歴史が130年前からあることも驚きですが、どうやら景色を楽しむことよりも、今までになかった、画期的な乗り物として楽しまれていたことがわかるので、比べてみると面白いですね!
最高にエモい写真を撮ろう!
朝焼け時や夕暮れに写真を撮ると、鉄骨のシルエットが映えて最高にエモい写真が撮れます。
真正面から全貌を撮るのも、もちろんよし。むしろ1枚は絶対に撮ってほしい。
下から広角で撮影すると迫力満点に!
四分の一ほどを切り取ると雑誌の表紙にもなりそうな雰囲気に。
一番のおすすめは、斜め45度から。一本一本の鉄骨が複雑に見えますが、互いを引き立て合います。
スマホひとつで簡単に、素敵に撮れますので、ぜひ立ち寄った記念に1枚残してみてください!自分のベストな角度や大きさが見つかると、より一層興味が湧くはずです。
これを機に、目にした観覧車に捕われてみるのはいかがでしょうか!
観覧車乗車料・入園料 各施設に準ずる(1000円前後が多いです)