2024年10月5日に、国立西洋美術館で開幕した『モネ 睡蓮のとき』。日本初公開の作品も多くあるとのことで、大きく話題になっていましたね。
会期も残すところあと1ヶ月ほどとなりましたが、まだまだたっぷりと見られるモネの晩年の作品を、じっくりと楽しんできました。
日本初公開の作品を含む50点が来日
2024年は、パリで開催された第1回印象派展から150年。そんな記念すべき年に『モネ 睡蓮のとき』は開かれています。
本展は、モネの晩年の作品に焦点を当てたもので、モネが40歳以降に移り住んだジヴェルニーで、丹精込めて作り上げた庭を描いた作品がたくさん展示されています。
睡蓮はもちろんのこと、庭に架けた日本風の太鼓橋やバラのアーチなども描かれています。
また、モネといえば連作の印象が強くありますが、美術館などの壁面を飾る大装飾画も製作しており、実際の状態を模した形での展示も。
ごく一部しか知らなかったモネの世界が、じわじわと広がっていくように感じます。
さまざまな角度から感じる連作の魅力
睡蓮のみならず、たくさんのモチーフを連作で残しているモネ。特に印象的な作品をご紹介します。
致し方ないとわかってはいるものの、撮影不可なのが悔やまれる……!
光の魔術師の魅せる水面
「チャーリング・クロス橋」は、1899年から、1903年にかけて描かれています。
個人的に、モネの光の表現が大好きなのですが、今回もやはり「テムズ河のチャリング・クロス橋」の前で立ち止まってしまいましたね。そんなことありっこないのに、発光しているような煌めきを感じます。
橋を描いた作品はたくさんありますが、フォギーな印象のものが多く、こんなにも光を放つように感じられるものは多くありません。
「日本の橋」は全てを視界に入れて眺めると面白い
1918年〜1924年頃に描かれた「日本の橋」は、1点ずつ見ると境界の曖昧さが“印象派然”としたイメージ。引きで見るほど輪郭がはっきりと見えるのも面白いところです。
これらがずらりと並んで展示されているので、全てが視界に入るように眺めてみてください。斜めからがおすすめ。
さまざまな移ろいが感じられて、1点ずつ見るのとはまた違った風景が見えてくるようです。
また「日本の橋」のうちの1作に、白内障を発症し、色彩感覚に異常をきたしていることが判明している時期に描かれたものがあります。
実際とは大きく異なるであろう色合いの作品ですが、治療後に色彩感覚が回復してからも破棄せず残しています。ありがとう、モネ。
不完全の持つ美しさでしょうか。とても心惹かれるものがありました。
国立西洋美術館で開催中。会期は2025年2月11日まで。
上野・国立西洋美術館で開催中の『モネ 睡蓮のとき』の会期は、2025年2月11日まで。残すところあと1ヶ月ほどながら人気は衰えず、日によっては入場待ちがある場合も。
ゆっくりたっぷり楽しむなら、夜間開館などもうまく利用するのがよさそうです。
また、東京での会期終了後には、2025年3月7日〜6月8日まで、京セラ美術館へ。2025年6月21日〜9月15日まで、豊田市美術館へと巡回します。巡回嬉しいですね。
日本人みんな大好きなんじゃないかというほど盛況な『モネ 睡蓮のとき』。どっぷりとモネの世界にひたりに、足を運んでみてはいかがでしょうか。
『モネ 睡蓮のとき』
⚫︎会場
国立西洋美術館
〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
⚫︎会期
2024年10月5日(土)〜2025年2月11日(火・祝)
⚫︎開館時間
9:30 〜 17:30(金・土曜日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで
⚫︎休館日
月曜日、12月28日(土)〜2025年1月1日(水・祝)、1月14日(火)
(ただし、2025年1月13日(月・祝)、 2月10日(月)、2月11日(火・祝)は開館)
⚫︎アクセス
・JR上野駅 公園口 徒歩1分
・京成電鉄京成上野駅 徒歩7分
・東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅 徒歩8分