〝カメラ〟ならば一眼レフカメラでもミラーレスカメラでも楽しめる内容です。
※カメラの購入代金は含まれておりません
前回、『良い写真』を撮るためには3つの要素があることを紹介しました。
今回は、その要素を写真付きで解説します。
「シャッタースピード」「F値」「ISO感度」の関係性・役割・動かし方がわかればOK!
シャッタースピードは人でいう『まばたき』。レンズの開閉時間によって取り込む光の量が変わります。
F値(えふち)は人でいう『瞳孔』です。暗いところでは瞳孔が開き、対象物が明るく見えるように、明るいところでは、瞳孔が絞られ、明るすぎないように調整されます。
ISO感度(あいえすおーかんど)は人で言う『網膜』が光を感じる度合いを高低で表します。感度が高ければ写真は明るくなり、低ければ暗くなります。
これらの、人間は機能として無意識に調節している部分を、マニュアル撮影では自分で設定し行っていきます。
シャッタースピード : レンズが光を取り込む秒数
※以下SSと表記します
F値とISOの数値が同じだった場合……
- SSが遅い(1/20秒)=写真は明るくなる
- SSが速い(1/2000秒)=写真は暗くなる
夜景モードが一例
【SSが遅い】=レンズが開いている時間が長いということ。
夜景モードは、撮影場所や対象物にもよりますが、少ない光量(夜)で明るく撮るために、1〜30秒と、長い時間シャッターを開きます。スマホカメラのナイトモードがわかりやすいでしょうか。3秒ほどの静止を求められるアレです。
そのため、光量が少なくとも明るい写真に仕上がります。【シャッターを開きっぱなし+動く=ブレる】が夜景モードなのです。
F値 : レンズの開きの大きさで、光を取り込む量を調整するもの
絞り(F値)はF2・2.8・4・5.6・8・11・16・22……という数値が国際基準で決まっています。左から、レンズを開いている数値です。
SSとISOの数値が同じだった場合……
- レンズを絞る(数字=大)=暗い写真になる
- レンズを開く(数字=小)=明るい写真になる
また、絞りは【被写界深度】の範囲に関わります。
被写界深度:ピントが合う範囲のこと
- レンズを絞る=被写界深度は深くなる
- レンズを開く=被写界深度は浅くなる
レンズを絞ると全部のアクスタにピントが合うのと、壁の輪郭がはっきりしていることがわかります。
レンズを開くと、ピントが合う範囲が狭まり、手前と奥がボケます。
※こちらはEV値を合わせているので明暗は同じです
ISO感度 : 撮像素子が光を感じる度合い
撮像素子 : カメラ内部にあるセンサーのこと
『撮像素子』とは、カメラ内部にあるセンサーのことを指しています。物理的にそのセンサーのサイズが大きければ解像度の高い写真になります。イメージセンサーとも呼ばれます。
SSとF値が同じ数値だった場合……
- ISO感度が低い=写真は暗くなる
- ISO感度が高い=写真は明るくなる
弱点は、ISO感度が低いと写真は滑らかに、感度が高いと粗い仕上がりになります。
※ISOに関しては、スマホに保存するだけ(=画像自体が小さい)ならば、個人的にはあまり気にしていません。大判で印刷することが決まっているのであれば気にかけるのがベターです。
人によって違う、『良い写真』
以上のことから写真は、この3つのバランスが整った時に初めて『適正露出の写真を綺麗に』撮ることができます。
でも……『良い写真』と聞いてどんな写真を思い浮かべますか?
筆者は写真館育ちなので【構図・光量・ピントが合っている・被写体の髪や服に乱れがない・被写体の姿勢】などがパッと思い浮かびます。しかし、それが全ての写真に当てはまるとは考えていません。
逆光やあえてぼかした写真、自然体な被写体……などなど。それぞれの撮影に狙いがあるので、挙げればキリがありません。
ここまでお伝えしたのは、あくまでも『良い写真』を撮るために調整できる3つの要素です。EV値を合わせれば確実に適正露出では撮影できますが、そうではないのです。
難しく考えず、いろいろな数値の組み合わせでどんどん撮影して、マニュアル撮影を楽しんでみてください♪
はじめは『暗すぎる』『ブレる』『ピントが合わない』などあるかもしれませんが、こちらもトライアンドエラーです!
以上、元スタジオ カメラマン直伝の【マニュアルで撮る『良い写真』の撮影方法】のお話でした!