クラフトビールを推したい! 美味しさを知って欲しい! フツウのビールよりは高いけれど、クラフトビールにはその価値がある! 生粋の“クラフトビール・ラバー”の筆者が、オススメしたいクラフトビールを紹介します。
今回ご紹介するのは、日本有数の日本酒メーカー『黄桜酒造』から発売されている「LUCKY DOG」です。
“メジャー”が造る“マイナー”ビール
テレビCMを流しているわけでもなければ、どこにでも売っているわけではない。“小規模”で“限定的”で“知る人ぞ知る”…クラフトビールは、お酒のなかでもマイナーな存在です。
マイナー、といっても決してネガティブな意味ではなく。むしろ、マイナーだからこそ感じられる特別感、それがクラフトビールの魅力でもあるわけです。
しかし、ここへきてのクラフトビールブーム。
数年前までは「クラフトビールって何?」という反応が返ってくることも多かったですが、ここ最近認知度がぐんとアップしているように感じます。
というのも、いわゆる“メジャー”なメーカーが“マイナー”ジャンルであるクラフトビール市場に本格的な参入を始めたから。
キリンの「スプリングバレー」シリーズやサッポロヱビスの「CREATIVE BREW」シリーズなどは、ごく一般的なスーパーにも売っているお馴染みの商品です。
大手でメジャーなメーカーだからこそできる、という商品もあり、消費者に届けるパワーも段違い。
大手の参入でどんどんメジャーになっていくクラフトビール。
それはさながら“インディーズ時代から追っていたバンドの曲がバズッた”ときのような、はたまた“マニアックな雑誌で推していた漫画家の作品がアニメ化”したときのような…寂しさに似た複雑な感情があるのも確かですが。
ひとりでも愛飲者が増えて欲しい(そしてゆくゆくは色んな居酒屋で普通に飲めるようになって欲しい!)と願っている筆者にとって、ウェルカムなムーブメントでもあります。
今回ご紹介するのも、“メジャー”なメーカーから発売されている1本。
ただし、大手は大手でもビールではなく日本酒のメーカー『黄桜酒造』の「LUCKY DOG」です。
『黄桜酒造』LUCKY DOG
黄桜酒造といえば「辛口一献」や「呑」などを販売している日本有数の日本酒メーカー。世代によっては「カッパのCMの会社」といえばピンとくる人も多いかもしれません。
京都に本社がある黄桜酒造が地ビールを販売し始めたのは2017年のこと。「楽しみと幸せを届ける」という想いが込められた「LUCKY」シリーズとして「LUCKY DOG」と「LUCKY CAT」の2本が発売されました。
LUCKY DOGのアルコール度数は5.0%、ビールタイプはセッションIPAです。IBU(=苦味指数)は60と、ペールエールらしい苦味のある1本。
日本酒米を使ったセッションIPA
このビールの最大の特徴は、原材料に日本酒用の米が使用してあること。実際に飲んでお米の味がするわけではありませんが、苦味のなかにまろやかさも感じられるのはお米の効果かも? と想像したり…。
アルコール度数が5.5%から7.5%と高くなることがIPAの特徴ですが、セッションIPAはそのアルコール度数を抑えているもの。そのぶん、飲みやすい仕上がりになっています。
苦味と飲み口は爽やかで、万人受けするクオリティ。「可愛いイラストに惹かれて買ってみる」なんて“ジャケ買い”にもおすすめの1本です。