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【1400円】脳内世界を飛びまわる。『ダリ版画展 奇想のイメージ』長野県立美術館にて

シュルレアリスム宣言から100年の今年は、関連する企画展が多く開催されています。シュルレアリスム好きには大変にありがたいことです。

今回は、今年生誕120周年を迎えたダリの版画作品の企画展があると知り、長野県立美術館へ。「奇想のイメージ」というタイトルに相応しい、ダリが描き出した不思議な世界をたっぷりと堪能してきました。

具現化されたダリの脳内に惹き込まれる

展示室内の撮影は禁止のため、部分的にも展示作品をご紹介できないのは残念でならないのですが、ダリ作品てそうだよね、というところで。

ダンテ著「神曲」の世界にいつの間にか吸い込まれる

詩人・ダンテの「神曲」は、地獄篇34歌と、煉獄篇と天国篇がそれぞれ33歌。これら全ての歌に添えられる挿絵、計100点が展示されています。

「神曲」の挿絵は、これはダリだわ! という作品ももちろんありますが、線の印象や色彩だけを見たら結びつかない作品も。物語の起伏に揺られながら歩を進めて行きます。

また、展示中盤には《天国篇3:ピッカルダ・ドナーティ》の版を重ねる工程も展示されています。版画は図工や美術の授業で体験している方も多いと思いますが、想像をゆうに超える工数で、いやこんなに……すごいな……カラーの版画の工程ってこんなにあるんだ……と。

日本の民話をモチーフにしたものも

リーフレットの裏面。

ダリの主な活動の場がヨーロッパであったことから、西洋のモチーフが圧倒的に多い中、なんか見たことあるな? とタイトルを見たら《花咲じじい》! こんなところでお会いするとは!! 《六地蔵》というタイトルの、かさじぞうモチーフの作品も。

他にも、ダリ自身が気に入っていた画家の肖像画や、これぞダリ! という作品も多数展示されています。展示は出版した作品集ごとにまとめられていて、ダリの脳が地球だとするならば、世界中を旅しているような感覚でした。

版画だけど思いきや彫刻作品も!

“版画展”と銘打たれているので、版画作品ばかりかと思いきや、《天空の犀》や《引き出しを持つミロのヴィーナス》など、彫刻作品も6点展示されています。彫刻にもダリの不思議な世界観は表れていて、版画作品とはまた違った世界に惹き込まれるようでした。

ミュージアムショップは特設と常設の2箇所

公式図録 2700円(税込)

展示室内のソファにさりげなく置かれている本を開いてみると、図録! 展示作品の掲載はもちろんのこと、読み物としても興味深い。買う!!

今回購入したのは公式図録のみですが、特設ショップには、Tシャツやトートバッグなど、ダリ作品に限らず西洋絵画をモチーフにした雑貨がたくさん。こちらは現金のみの取り扱いなので、買い込みがちな方は余裕を持っていくといいかも。

常設ショップの前を通ると、見たことのあるグッズが。……諸美のじゃない?! ダリの企画展だからか、諸橋近代美術館のグッズもセレクトされて並んでいました。

ハイカロリーな展示の後は、ミュージアムカフェでひといき

アイスも軽食もあるのね、というポスターとサイネージ。

Shinano Art Cafeは、展示室のさらに上、3階に。特設ショップ横の階段か、エレベーターで上がることができます。

ガラス張りで明るく、お天気だったので青と緑がキラキラしていて、来てみてよかった! と思わされます。

ビール欲の大勝利だったけど、コーヒーゼリーも美味しそうだったのよねぇ。

ちょっと小腹が空いていたので、信州牛コロッケとビールを注文。コロッケは提供までに4分ほど時間がかかるとのこと。それはつまり揚げたてですね?! 承知です!!

川場ビール ヴァイツェン 950円、信州牛コロッケ 460円。

揚げたてアツアツのコロッケとビールなんて、優勝以外ありますか? ないよ!!

ビールはヴァイツェンということもあり、フルーティーで華やかな味わい。苦味も抑えているとのことで、するする飲めるのは嬉しいところでした。暑い日は喉越しが気持ちいいですね!

見てー! 揚げたてアツアツ! とろとろのじゃがいもに、信州牛の旨みがぎゅぎゅっと。これはもうさ、優勝よ。

テラスからの眺めの素晴らしきこと!

善光寺のお膝元とあり、参道が見えます。そしてその向こうに続く山並みと青空! 最高じゃない……なにここ……最高だよ……

運よく特別講演を聴講。内容濃くて、無料はおかしいって。

筆者が訪れた日は、特別講演イベントの開催日。ほぼノー下調べて来たので知らなかったのですが、コロッケとビールでほくほくしていると、当日枠があるとのアナウンスが。

時間ある! 聴きたい! というわけで、会場へ出向き受付を。

この日は、三重県立美術館の館長さんによる「ダリ、シュルレアリスムと日本」とのこと。春に行った『シュルレアリスムと日本』の企画に携わられたとのことで、専門分野。ダリがどのように日本で知られ、日本の現代美術にどのような影響を及ぼしたかを詳細にお話しくださいました。

長野駅からバスまたは電車で。バスのほうが楽チン!

長野駅の東口バス乗り場から善光寺方面に行くバスで、善光寺北、城山公園前、どちらかで降車するとすぐそこ。降りて見渡したら見える、ガラス張りの近代的な建物が長野県立美術館です。

ICカードで乗車しようとしていたのですが、一向に反応せず。あれー? と思っていたら、地元の方が「長野の人じゃないとそれ使えないのよ」と教えてくださり、整理券を取って乗車しました。ひとつ乗り越してしまい、深田口で降車。ここまで560円。現金の用意、して行きましょう。

長野電鉄の善光寺下駅からも歩けるものの徒歩15分ほどと少し距離があるので、バスで移動する方がラクかも。

油彩などでは大胆な構図が印象的ですが、版画ではやわらかなイメージが際立つように感じました。ゆらゆらと揺蕩うような歪むような不思議な感覚に身を委ねつつ、ダリの世界にどっぷりと浸りに行ってみてはいかがでしょうか。

会期は2024年9月16日まで。夏の美術館は涼しいですからね! 夏に遊びに行く場所として、とてもおすすめです。

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蓮水おり(ori hasumi)

美味しいものと美術展とライブをテンション高めに楽しむワーママでバンギャ。コーヒー歴15年超の、J.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター2級。12星座をモチーフにしたオリジナルブレンドのコーヒー屋を営んでいます。

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