アジアのコーヒーといえばインドネシアのマンデリンが有名ですが、ミャンマーもここ数年で著しい発展を遂げ、今後さらなる品質の向上が期待されています。
元々コーヒー生産に適した地域であるミャンマー。その中でも生産量がもっとも多い地域であるシャン州で栽培されている「シャンリーコーヒー」をご紹介します。
コーヒー生産新興国が生み出す、さわやかでみずみずしい香りと甘さ、すっきりとした後味
柑橘系の爽やかな香りの奥に、あんずやマスカットのような濃くみずみずしい甘みと、カカオのようなコク、緑茶のようなすっきりとした苦味が感じられるのが、シャンリーコーヒーの特徴。フルーティーな酸味や甘みが感じられるお豆ですが、深煎りにすることで酸味を抑え、香ばしさや甘みを引き出せます。
インドネシアやタイ、インドなど、アジアのコーヒーはどっしりとしたイメージですが、シャンリーコーヒーはすっきりと軽やか。フルーティーさもあり、有名なパナマの高級品種「ゲイシャ」を思わせるような印象もあります。
質の高い洗練されたコーヒーの新しい生産国として注目されているミャンマー。アジア~東南アジア圏の中で上位の生産量を確保できつつあることも要因のひとつ。生産量の多いシャン州の中でも最大の生産量を誇るユアンガン地区で、シャンリーコーヒーは栽培されています。
こちらは生豆100gあたり700円ほどで購入でき、1杯分は70円ほど。焙煎すると水分含有量が減って軽くなるため、深煎りで購入する場合は85g程度となりますが、それでも1杯分で82円程度で楽しめます。
気分転換にもおやつにも。ミルククリーム、ドライフルーツなどとも好相性
シャンリーコーヒーの持つ風味を余すところなく楽しむのであれば、ブラックで飲むのがいちばんおすすめ。濃くみずみずしい甘さから、すっきりとキレのいい後味への変遷を楽しめます。カフェオレにする場合は、甜菜糖や蜂蜜などで、ふっくらとしたイメージの甘みをつけるとマイルドな風味に。個人的にはフルーティーさを推したいので、はじめの香りと3口くらいはブラックのまま試してみてほしいです。
フードペアリングでおすすめしたいのは、ミルクたっぷりのなめらか系プリン。相性のよさが想定外すぎて、思わず「うっま!えっ?」と声が出たほど。これを踏まえると、ミルクフランスや福島のご当地パンとして知られるクリームボックスとも合うのではないかと考えます。
また、あんずやマスカットのような風味が、ドライフルーツをたっぷり使ったパウンドケーキや、フルーツを焼き込んだタルトなども合いそう。また、緑茶のようなすっきりした後味のため、塩ようかんや水ようかんなどすっきりめのあんことも相性がいいでしょう。
ミャンマーのコーヒーの品質向上は、今後、生産量が増えればまだまだ期待できます。数年のうちに、世界的に賞賛されるようなことがあるかもしれません。「東洋のパナマ」と言わしめるほどの品質と味わいの「シャンリーコーヒー」を、気軽に手頃に楽しめる今、ぜひお手に取ってみてください。