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【無料!】人と動物の関係を骨で読み解く。『動物観』を見つめに、文京区教育センターへ

Twitter(現X)というのは、実にさまざまな情報が流れてくるものですね。2024年5月10日から9月30日まで、文京区教育センターの大学連携事業室で、骨の展覧会が開催されているという投稿がありました。

画像付きのその投稿に骨好きの血が騒ぎ、さらに、会期が9月30日までと知り、駆け込みで予定をねじ込んで『動物観』に行ってきました。

骨格標本がお出迎え。嗚呼、美しき骨の数々!

出迎えてくれるのは、展示室の中央に佇む人間の骨格標本。さすがに模型なので、真っ白で整っています。

作り物だからこその美しさだということはわかっているものの、それでも見惚れてしまうのは、憧れなのかなんなのか。通常の展覧会なら、まず挨拶文などをしっかり読んでから進むのですが、吸い寄せられるように骨格標本の前に立ち、しばらく眺めてしまう美しさがあります。

ニワトリの頭蓋から頚椎の曲線のなんと美しいことかしら。

さらに、壁沿いにはセクションごとに分けてぐるりと1周、動物の骨が展示されています。日々食事として口にしている動物、動物園や水族館に会いに行く動物や、家族の一員の動物も、その命を支えるフレームはみんな同じように「骨」なのだということがわかります。

セクションは8つ。切り離せない深いつながり

今回、動物標本を使った展示で表現されているのは「食」「愛玩」「狩猟」「飼育」「使役」「信仰」「物語」「保護」の8つのセクション。

動物が人間の生活を豊かにしてくれるのは、ペットと暮らしている人や飼育に携わる人は、想像に難くないでしょう。身近にいることで心を通わせる、信仰の対象とするなど、精神的な豊かさを享受する一方で、労働力として使役すること、食糧とすることなども、人間の生活を豊かにしていると言えます。

動物、人間、豊かさ、愛、信仰、糧。究極のシンプルな状態を観察することで、自身の心にある動物とのつながりについて向きあう、澄んだ静謐な時間を過ごすことができます。

部位から透けて見える輪郭

「食」のセクションには、食事として口にしたことのある動物の骨が展示されています。

お腹やお尻のあたりに、某フライドチキンが見えてくるような気がしませんか。してほしいなぁ。

あの軟骨っぽい骨はこれかな、あの細い骨の多いところがここか、なんて思いながら見てみると、ちょっと選び方が変わってきそう。

生来の配置どおりに展示されているブタの全身は意外な迫力。大きい……。

それでも、豚足……とか、スペアリブ……とかよぎってしまうのは、命に生かされているということですよね。ただ食いしん坊だからじゃないもん。

しかしこうして骨を見ると、お店で食べる豚足ってどこで切り分けられているのでしょうね。指何本ずついただいているのかしら?

骨の向こうにある役割を思う

人に使役する動物というと、体が大きくて力が強く、主に運搬や耕地などの肉体労働をイメージしがちですが、頭脳労働的な役割を与えられた動物もいます。

伝書鳩は鳩の帰巣本能を利用して与えられた仕事。伝令を使わされているということでいえば、牧羊犬もこれにあたるのでしょうか。

ネコチャン? と一瞬悩みましたが、特に訓練をすることもなくネズミなどを捕獲することから、害獣駆除に使われていたそう。穀類を守るだけでなく、船体の材木がネズミに齧られて穴が空くのを防ぐために乗船していた時代もあったそうです。

どこか繊細でポップな印象のハトは、スチームパンク的なテイストのオブジェなどもよく目にするような気がしますね。この可愛さは、飾り愛でたくなるのも頷けます。ニワトリもですが、鳥の骨格ってこんなに可愛いんですね。

とてもシンプルで美しい。有機的唯一無二の非対称の美

真正面から撮ってスタイル崩れがないのもすごい。美しい。

正しい姿勢でこちらを見つめる人。眼球もなければ視線なんてわかるはずもないのに、どことなく目が合い対峙しているような気がしてくる不思議。

10代の頃から、骨格標本を買おうか本気で悩むくらいには骨が好きな筆者。ずっと好きだけど、何がそんなに好きなんだろう? 筆者にとっての骨の魅力って何?

滞在した1時間ほどの中で、不完全にアシンメトリーであること、種ごとに基本的な構造は同じなのにそれぞれが唯一無二であること、そして極限まで削ぎ落とされたシンプルな美しさに惹かれているのかなと感じました。

『動物観』は、文京区教育センター2階の大学連携事業室にて。2024年9月30日まで公開

『動物観』は、文京区教育センター2階の、大学連携事業室にて、2024年9月30日までの公開。最寄駅から徒歩10分程度と少し距離はありますが、静かで綺麗な街なのでスルスルっと歩いて行けます。

道順も比較的まっすぐで目印も多いので、プロ迷子を自称する筆者でも、地図を見ながらひとりでたどり着けました。

日頃あまりに無意識に、見て癒されて、食事として摂取している動物について、そのいちばんシンプルな状態である骨を通して見つめ考える。自分の中にひっそりとあった動物観と、まだ見えていないかもしれない動物とのつながりに、心を向けてみてはいかがでしょうか。

文京区教育センター
住所:〒113-0034 東京都文京区湯島4丁目7番10号
東京メトロ千代田線「湯島」駅(1番出口)から徒歩8分
東京メトロ丸ノ内線「本郷三丁目」駅(2番出口)から徒歩10分
都営地下鉄大江戸線「本郷三丁目」駅(5番出口)から徒歩8分 他

『動物観』
展示期間:2024年5月10日 金曜日から2024年9月30日 月曜日まで
休館日 :日曜、祝日
開催時間:9時から17時
入場料 :無料
会場  :文京区教育センター2階 大学連携事業室
※情勢に応じて、開催日時等が変更になる可能性があります。

引用元:文京区教育センター公式サイト
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蓮水おり(ori hasumi)

美味しいものと美術展とライブをテンション高めに楽しむワーママでバンギャ。コーヒー歴15年超の、J.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター2級。12星座をモチーフにしたオリジナルブレンドのコーヒー屋を営んでいます。

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